Windows 11 の Clash Verge Rev:url-test のテスト URL・interval・tolerance を段階的に整える
対象読者と範囲
Windows 11 で Clash Verge Rev を使い、購読プロファイルが Mihomo(Clash Meta) として動いている前提で、url-test タイプの ポリシーグループ が短い周期で出口を切り替えたり、逆に遅いメンバーに長く張り付いたりして不快に感じている方を想定しています。本稿は TUN 全般や DNS モードの総ざらいではなく、url・interval・tolerance の三点に絞ります。画面で Select と自動測定の違いを押さえたい場合は プロキシグループと測速の記事が入口になります。
Mihomo は proxy-groups に type: url-test が書かれたブロックについて、定期的に同じ url へ各メンバー経由で試験的な接続(HTTP ベースのレイテンシ測定)を行い、比較的速い候補を選びます。見かけは「自動選択」ですが、中身はプローブ先と秒間隔と許容差の設計次第で振る舞いが大きく変わります。
DNS とセットで: fake-ip と redir-host の切替や検証の流れは Windows 向け DNS 記事を先に揃えると、プローブが成功しているのに実トラフィックだけ別経路、という切り分けが楽になります。
測定モデル:何を比べているか
各周期で Mihomo が見ているのは、ざっくり「設定された url に対して、その出口から TLS/HTTP のハンドシェイクがどれくらいで終わるか」です。スピードテストのスループットやゲームサーバへの ICMP、動画 CDN までの実効帯域とは一致しないことがあります。そのため 自動で速いと出た出口が、目的アプリでは別問題という现象は珍しくありません。
プローブ先が特定リージョンのエッジだけに強く依存していると、メンバー全員が同じ瞬間に失敗して見える、あるいは逆に常に順位だけが舞蹈する、といった症状が出て tolerance をいじっても効果が薄いことがあります。まず url 自体が自分の回線で誠実に使えるかを疑うのが得策です。
1. テスト URL(url)の選び方
よくあるテンプレでは小さな応答を返す 204 系や静的エッジが使われます。自宅では問題なくても、カフェの キャプティブポータル や企業プロキシ下では HTTPS がハイジャックされ、一斉タイムアウトに見えることがあります。導入前にブラウザまたは PowerShell から同一環境を確認しておくと早いです。
次の観点で取捨選択します。応答が軽いこと、ボット対策で断続的に遮断されないこと、可能なら プロバイダが推奨する測定先に寄せること。運用上、複数ロケーションで別々のプローブを使い分けるのは管理上のコストが高いので、まずは単一の url で tolerance と interval を整えてから検討する程度で足りることが多いです。
ヒント: ストリーミングでカタログ地域が厳密なら、自動 url-test より select で固定する運用の方がストレスが少ない場面があります。本稿の調整は、回線状況が読みにくいモバイルホットスポットや不安定な Wi-Fi で特に効きます。
2. interval(秒):反応速度と負荷の折り合い
interval は再測定の間隔です。短いほど障害検知は速い反面、後述のジッターに敏感になり、ログや CPU が忙しくなります。ノート PC で電源管理が攻撃的な無線チップだと、測定のたびに一瞬だけレイテンシが膨らみ、順位が不必要に入れ替わることもあります。
現実的には まず現状値を記録し、症状に合わせて片方向だけ動かします。出口が素早くローテーションしすぎるなら間隔を延ばし、障害に長く張り付くなら(まず url の信頼性確認の後で)少し短くします。有線デスクでは数分おき、不安定な WLAN ではそれ以上に広げる、といった程度感から始めると安全です。
留意: 多数ノードに対して極端に短い interval で並列プローブを投げ続けると、一部のネットワークではブロック対象に見なされることがあります。タイムアウトが interval の整数倍に揃って現れるようなら、まず間隔を伸ばして観察してください。
3. tolerance(ミリ秒):ヒステリシス
tolerance は「現行ノードがまだ許容範囲なら、ほんの少し速い測定値だけで乗り換えない」ための幅です。狭すぎると数十ミリ秒の差でも頻繁に切替え、会議や長めの TLS セッションに小さな途切れとして現れます。広すぎると、明らかに良い候補がいても長く旧メンバーに留まります。
有線で安定している環境なら数十ミリ秒台から試し、Wi-Fi で測定値が大きく揺れるなら段階的に広げます。変更は 一度に一項目が鉄則で、メモに「いつ・何を・なぜ変えたか」を残すと数週間後の自分が助かります。
記述例(名前は購読に合わせて置換)
proxy-groups:
- name: AUTO-STABLE
type: url-test
url: https://cp.cloudflare.com/generate204
interval: 300
tolerance: 75
proxies:
- NODE-A
- NODE-B
rules:
- MATCH,AUTO-STABLE
一部構成では lazy: true により、当該グループが実際に使われるまで積極測定を控えるオプションが使えます。省電力には効く一方、最初の接続直後に古い選択が残って見えることがあるので、用途でオンオフを判断します。
4. Clash Verge Rev での作業手順
プロファイルをバックアップしたうえで、プロファイル編集画面から YAML を開き、問題の proxy-groups エントリを探します。インデント崩れは即パースエラーになるので、スペース幅に注意してください。保存後はカーネルの再読み込みが自動か手動かを確認し、エラーログに孤立した名前参照がないかざっと眺めます。
TUN を併用する場合、ドライバや管理者権限の話は設定編集とは別問題です。測定だけ妙に不安定なら、他社 VPN との二重仮想アダプタ競合やスリープ復帰直後の NIC 初期化も疑います。レイヤー全般は TUN モードの解説を参照してください。
スライダーをいじっても直らないサイン
次のようなら、url-test の数値以前の層を疑います。有線でも全員タイムアウト、TLS ミドルボックスのログがプローブと同時に出る、UDP だけ死んでいる、購読マージで存在しないメンバー名が残っている、などです。イベントビューアの無線切断履歴とタイムスタンプを突き合わせると、海外詰めの悪意ではなくローカル再切断だった、という結論になることもあります。
よくある質問
GUI から安全に触れない項目は?
高度なプレビューがあるにせよ、最終的な真実はマージ後の YAML です。値を確定させるならテキストで残す癖をつけてください。
購読更新で消えるのを防ぎたい
リモート購読が毎回同名ブロックを上書きする場合、ローカルのパッチファイルやマージ機構で追記する運用を検討します。単にエディタで書き換えただけでは金曜夜に戻ってくる典型パターンです。
まとめ
url-test は、到達可能な テスト URL・現実的な interval・ジッターを吸収する tolerance の三点セットで初めて「静かな自動選択」に近づきます。Windows 11 固有の話は測定ノイズの出やすさと、権限まわりが絡む TUN 周辺に現れがちですが、パラメータの意味そのものは OS をまたいで同じです。
ボタンだけを強調し、背後の proxy-groups を隠す製品はトラブル時に原因追跡が難しくなりがちです。コアの挙動を短い日本語ガイドで素直に追えるほうが長期運用は楽です。ClashSource では Mihomo と Clash Verge Rev の流れを記事でつなぎ、検証済みの ダウンロード導線もまとめています。
今すぐ設定を見直す場合は Clash Verge Rev の最新ビルドを合わせ、上記手順どおり url と周期を一度だけ点検してみてください。自動切替の挙動が読みやすくなるはずです。インストール手順のおさらいは 総合チュートリアル、ルールの並びに迷ったら ドキュメントハブも参照してください。